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2007年10月22日 (月)

草津温泉でもとりわけ好きな地蔵源泉を源泉すぐそばの旅館「高砂館」で心ゆくまで堪能

温泉巡りをしていても何度行っても飽きない温泉
地の筆頭が草津温泉。18カ所もある無料でほぼ
一日中入れる共同浴場の素晴らしさ、巨大な湯畑
を中心にした旅館と飲食店などが織りなす散策も
楽しい街並、夏でも涼しい高地など様々な視点で
見ても日本最高の温泉地で、これまでも何回も宿
泊して来た。日帰りで入浴を楽しむのも良いのだ
が、やはり宿泊してじっくりと湯浴みを楽しむの
がご機嫌。と言うことで突然「そうだ草津だ!」
となって、一度は宿泊してみたいと思っていた旅
館「高砂館」に直前の予約を入れて、28日金曜
日に宿泊して、草津の湯でももっとも好きな湯で
ある地蔵源泉を思い切り堪能して来た。

高砂館は大型ホテルや高級旅館が立ち並ぶ草津温
泉の中でも湯治的な志向のある鄙び系の旅館。草
津温泉の共同浴場でも人気のある地蔵の湯のすぐ
そばにある木造4階建ての風格のある建物(つま
りは古いってことでもあるが)で、地蔵の湯に行
くたびに急な坂の下に見える旅館として印象度高
かった旅館。

ただ、高砂館は地蔵源泉を使用する湯治系の旅館
である「月洲屋」(ここはたまたま昨年ご主人の
ご好意で日帰り入浴ができた)と並んで日帰り入
浴はやっていないので以前から一度宿泊してみた
かった旅館。一日に数組しか客を取らないとか、
温泉ファンからも人気があるとかで予約が取りに
くいともネットで出ていたのだが、今回は直前で
もすんなり予約確保が出来た。ネットで出ていた
雰囲気ある浴室にようやく入れるとあって出発前
からワクワク。

チェックインが午後2時から(草津温泉は2時か
らが多い)なので、高砂館の湯をたっぷり味わう
ため早めにチェックインの予定で出発。しかし、
自遊人パス利用が9月末まで出来るので、まずは
法師温泉長寿館へ行き、2時間ほどのんびりし、
さらに草津温泉へ行く途中で「かたくりの湯」に
もちょっと入浴したため結局チェックインは午後
3時過ぎに。

車の駐車は以前は現在の地蔵の湯のあった場所に
駐車できたようなのだが、現在は高砂館の玄関横
のスペースに駐車なのでちょっと駐車しにくくな
ったのがデメリット。

建物は大正時代の建築だそうで、かなりの時代物
らしい古さを感じる部分も多いが、館内は廊下や
階段などきれいに掃除され長年磨き込まれて来た
美しさと味わいがあるものだ。通された部屋は3
階の玄関真上の部屋で、なんと10畳と8畳の二
部屋続きで広々。しかもそれぞれの部屋にテレビ
(100円投入方式)が。奥の8畳間にはすでに
布団一式が敷かれていて、風呂に入ってすぐにゴ
ロゴロできる有りがたさ。女将さんの対応が実に
丁寧で優しく気持ち良い。

食事は朝食があまり食べられないので、夕食付き
で予約。素泊まりなども可能だ。夕食付きで税抜
き6500円。夕食は別の部屋に用意された。と
いうことは実質3部屋を利用という贅沢さ。

食事はネット上の宿泊記の写真で見ていた通りの
食事で、あまりの量の多さに小食の私としては見
ただけでお腹がいっぱいになりそうだ。食事内容
は家庭料理そのもので、田舎のおばあちゃんが遊
びに来た孫たちにもてなせる限りのものを出した
ようなもので、刺身3種、鮎の塩焼き(トウモロ
コシ付き)、イカフライに鳥の唐揚げ(トマトと
梨付き)、牛肉の野菜いっぱいの鍋物、具沢山の
茶碗蒸し、蟹のグラタン・エビの塩焼き・蟹の脚、
具沢山のみそ汁、野菜小鉢、お新香、それにデザ
ート(メロン2切れ、巨峰)と盛りだくさんで、
ご飯には手が出なかったほど。味付けも美味しく
大満足。ただ、刺身だけはマグロなどちょっと味
がいまいちで山の中で刺身はいらないのではない
かな。とにかく、最大限持てなそうとの気持ち溢
れる食事だった。また、ポットの湯も言わなくて
も3回ほど新しくしてくれるし、朝食を取ってい
ないのに朝にはぶどうと梨、乳酸飲料のサービス
まで。サービスと言えば、玄関ロビーにはいつで
も飲めるようにコーヒー(インスタントじゃない
よ)が用意されている。

浴室は2階から急な階段を下りた1階にあり、細
い通路に沿って右から大きめの湯舟の男性用の内
湯、小さな1人用程度の長方形の湯舟が3個並ぶ
貸し切り浴室、少し小さめの女性用浴室が並び、
それぞれに地蔵源泉が掛け流しに。湯温は注入パ
イプに挿入された木製の栓を利用して自由に調整
できる。

男性用浴室は変形の7〜8人が大丈夫な大きさで、
地蔵の湯の源泉が注がれ、透明な湯が静かに溢れ
る。どの湯舟も同じだが、湯舟の底には細かい白
い湯の花が沈殿していて、湯に浸かり脚でかき混
ぜると一気に白濁の湯となる。3つの浴室は天井
部分が繋がり、壁で仕切られているだけで、天井
部分に換気口が有るため換気扇がないにも関わら
ず空気の流通がよく、湯気がほとんど籠っていな
いので実に気持ち良く、静謐な環境で湯浴みでき
る理想的な内湯構造だ。草津の源泉の中でも優し
い肌触りのある地蔵の湯の満足度は高い。昔この
湯で眼病が治ったと言われて目洗いの湯とも言わ
れ、顔を洗っても強酸性なのに目に湯が入っても
沁みることもない。

3つの浴室の真ん中にあるのが貸し切り風呂。入
浴中の札をかけて、鍵をかけていつでも自由に使
用できる。といっても、男性用と女性用の浴室も
鍵をかけられるのだが。ここは1人が入るとちょ
うどゆったりできる小さな湯舟が3つ並んだ面白
い造りで、それぞれの湯舟に個別に源泉を注入で
きるので、それぞれの湯舟の湯温を変えて入浴で
きる楽しい浴室。男性用、女性用が割に適温の温
めになっているので、ちょっと熱めの源泉を味わ
いたい向きにはこの貸し切り風呂が最高の贅沢空
間となる。

女性用の内湯と男性用の内湯にはなぜかキティち
ゃんの浮き輪が置いてあったのは一種のお遊びか。
なんかほんわか気分になるギミックでもあった。
とにかく、他に宿泊客もいたのだが、宿泊中いつ
入浴しても、独占状態で草津温泉でも泉質抜群の
地蔵源泉をたっぷり堪能でき、草津温泉の中心な
のに実に静かで最高の時間を過ごせた。しかも、
おいしい食事に温かいもてなしの心を感じさせる
対応に財布に優しい料金と大満足の旅館だった。
草津に宿泊するなら私にとってはこれからはこの
高砂館しかないかの気分になったほどだ。

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