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2008年6月23日 (月)

岩手宮城内陸地震で水没状態の湯の倉温泉・湯栄館の悲惨な状況には言葉もない

岩手宮城内陸地震で栗駒山周辺の秘湯的温泉がかなり
の被害を受け、駒の湯温泉は完全に崩壊して数人の死
者が出る悲惨な事態となったが、花山温泉郷の山奥に
あるランプの宿として人気のあった湯の倉温泉「湯栄
館」も地震で出来た土砂ダムのために日々水没の状況
が加速しているようだ。

テレビやネットでの同温泉の写真を見ていると、最初
は被害を免れたかと思っていたのが、土砂ダムのため
に川のすぐそばにある旅館は水没の度が増し、今日の
朝日新聞の記事を見て見たら2階のかなり上まで水没
が進み、ほぼ全体が水没してしまいそうな状況で、写
真を見るとあまりの惨さに言葉もない。

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同温泉に行くには国道398号線から脇道を入り、さら
に歩いて行くしかない電気もないまさにランプだけの秘
湯。旅館のすぐそばにある清流沿いの岩造りの露天風呂
が最高の温泉だ。行くのがちょっと面倒なために、39
8号線を何回も通りながら日帰り入浴したのが6年ほど
前の一度だけ。一度は宿泊で行きたかった宿だけに今回
の惨事は言葉もない。経営者家族の方々が無事だったの
が不幸中の幸いか。

朝日新聞の記事では経営者の8代目主人である三塚倉雄
さんが「先代たちに顔向けできない」と落胆するインタビュー
が出ている。温泉の本によると、湯栄館の創業は文政3年18
20年となっていて、実に200年に近くにもなる歴史ある旅
館だ。それがわずか数秒の地震でこのような事態になるとは、
自然はなんと惨い仕打ちをするのだろう。

地震当日の模様は「地震が起きた14日朝、三塚さんは調理場
で、この日来る宿泊客のための料理の下ごしらえをしていた。
下から激しく突き上げられ、体が飛ばされそうになった。茶の
間の柱にすがるようにつかまった。 数年前のくも膜下出血で、
体が不自由になった妻の洋子さん(68)を引きずるように連
れて宿から脱出した。崩れ落ちた岩が転がる山道を歩き、途中
で迎えに来た長男泉さん(39)と合流。宿を出てから約11
時間後、やっと国道にたどりついた。」と書かれている。

さらに三塚倉雄さんは「200年近く続いた旅館が、おれの代
で水の底に入っちゃった。天災だけど、先代にも全国のファン
にも申し訳ない。つらいなんてものじゃない。せめて建物が壊
れず頑張り続けてほしい」と無念な思いを語っている。あの地
域の素晴らしい温泉や穏やかで癒される美しい景観が大好きな
だけに涙なくして聞けない言葉だ。

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