最近は温泉旅館の廃業や共同湯・野湯の閉鎖など
温泉ファンには哀しいことが立て続けに起ってい
るが、私もとりわけ大好きな温泉である青森県の
平川市(旧碇ヶ関村)の「湯の沢温泉郷」の象徴
のような存在である「なりや旅館」がとうとう廃
業になったようなのだ。
つい最近ネット上で1月末で廃業のようだの情報
を見ていたのだが、その後確認することなかった。
それを思い出して、ネット上の温泉ブログをいく
つか見てみたら、あるブログにその廃業が事実で
あると確認出来る写真などが掲載されていた。
すでに旅館は玄関は閉ざされ、玄関の戸には「諸
般の事情(館主病気療養)により当なりや温泉旅
館を休業する(当分の間)ことにいたしました。
長い間のご愛顧に感謝申上げると共に心よりお詫
び申しあげます 平成二十三年一月末日」との紙
が張られている。地方の温泉旅館によくあること
なのだが、経営者が高齢化し、その後継者がいな
いための休廃業が多いのだ。今回のなりやも経営
の女性が高齢化・病気での廃業でなんとも残念。
この湯の沢温泉郷は濃厚な温泉の多い碇ヶ関でも
そのあまりに濃厚強烈な温泉で全国の温泉ファン
垂涎の温泉。かつては純粋な湯治温泉で一般の温
泉案内などには載ることもなかったのだが、温泉
情報がネットで流れるようになってその存在が俄
然注目されるようになった温泉だ。秋田と青森の
県境にあり、国道からさらに数キロ狭い道を入る
不便な温泉郷。3軒の旅館が距離を置いて並んで
いるが、それぞれが日本でもトップクラスの成分
濃厚な温泉があり、私も青森方面へ温泉ドライブ
すると入浴(1カ所だけで体ヘトヘトになるので
毎回1カ所ずつ入るのを楽しみにしていた)する
のが楽しみだった。
それが、先般3軒のひとつ「湯の沢山荘」が廃業
したばかりで、たてつづけに今回の「なりや旅館」
廃業で、残るのは一番奥に位置する「秋元旅館」
のみとなってしまった。あの素晴しすぎる濃厚な
温泉が使われずとはもったいない限りだ。日本で
もペストテン級の湯なだけに役所などで経営を考
えられないものなのか。下北半島の「隠れかっぱ
の湯」を訳の分らない理由で閉鎖・廃棄処分にし
てしまうなどKYな観光・温泉利用視点的思考力の
ない役人がいる青森県だ、そんな願いは虚しいだ
けか。
最近のコメント